「トトロ」ではなく、「とっとろ」とスキップしているような出来映え・・・となれば良かったのですが、トトロそのままでもないし、トトロもどきともいえない代物。
写真やぬいぐるみを側において模倣するのではなく、あくまで自分の頭の中で創造したイメージで作ってみました。
中トトロはどんなだっけ?などと娘に何度も確認を取りながら、でも楽しんで作りました。
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困ったのは小トトロ(出番が多くないですからねぇ)、多分こうだろうと思って作り、持って帰って家族に見せたところ総スカンを食ってしまいました。
「ちょっと違うんじゃな~い?」「何だかイメージずれてる~」
夫であり父である存在に気を遣ったのでしょうか、とても控えめな表現ではありましたが、顔には
「絶対違うよ~」「ど~やったらこんだけずれたもん作れるの~」
と書いてありました。
ネットで検索してトトロの絵を見たら、なるほど、これはずれてるわ・・・と我ながら呆れた次第です。

尻尾や耳について助言を得た挙句作り直して再度家族に披露したところ、
「うん、本物とは少し違うけどまあ何とか・・・」
と、何とかお墨付き的なものが得られたのでこれで良しとしました。
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映画はもちろん絵やぬいぐるみを見て参考にはしましたが、あくまで模倣はするまい、自分なりのトトロを表現してみせるゾ、と変な意地を張って製作した作品です。
我家の玄関先に鎮座する「ととろ?」ぐらいが丁度いいのです

見た人は一応、「わぁ~!ととろが居る~」と言ってくれます。そしてその数秒後、
「でも少し違うような気がする」という想いがその人の頭をよぎるであろうことを、私は確信しています。

蛇足:作り直しの憂き目に会った「小トトロ」ですが、これはこれで置物になるのではないかとの妻の助言があり、我家の新キャラクターとして郵便受けの上に飾ってあります。
後日紹介するかもしれません。
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卒業年度の3年目には修学旅行があります。行き先は京都・奈良、もしくは鎌倉。石製品の宝庫といってよいでしょうから、研修、見学を兼ねた旅行になるのは止むを得ませんね。
別のところへ行きたいと大多数が希望すれば他所も可能らしいですが、これまでにそのようなことはなかったようです。
昼間の見学はまあ良しとして、夜の部をメインイベントとする学生が殆どですから、全国どの街でも良いわけですよ。

修学旅行が終わると、技能照査といういわゆる3年間の総仕上げ試験があります。石材技能士補という資格を得るための検定で、あらかじめ決められた形のものを一定時間内に寸法どおりに作成するというテストです。

それとは別に、課題としては同じようなものですが学校を卒業するための卒業試験もあります。
出席日数だとか筆記試験の結果も判定の材料にはなりますが、石屋小僧としてはモノが作れてなんぼの世界ですから、この試験の占めるウエイトは結構大きいです。
一定水準以上であれば殆ど合格するのですが、出来映えによって卒業時に表彰されるかどうかの判断基準になります。
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 そして最後に、卒業制作として同級生皆で一つの作品を作って工学院に残すという作業が待っています。

現代モニュメント的な作品が多いようですが、土台は石塔石屋さん、上物というか彫刻部分は彫刻もしくは灯篭石屋さんで修行した連中が担当します。
見てるだけ~という小僧たちももちろんいますが。

近年では工学院生が作った作品の発表会があるらしく、昼休みや休日を利用して勤め先の事業所で作成し、一人一作品出展するようです。(私の時代には無かった)
修行の成果を公開して一般の人々に見ていただくという、少しの緊張感を伴ったモノ作り。そういうことも石屋小僧たちの励みになっているようです。
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数年前、女の子が入学しました。

とある石屋の娘、幼い頃から父親の姿を見るにつけ憧れていたそうです。
既に卒業して石工の仲間入りをし、実家の工場でバリバリやっているようですが、当時はかなり話題になりました。

そもそも女性の石職人というのは皆無に近いので、現在でも折に触れては新聞やテレビ等(名古屋ローカル!?)で話題になっています。

女性ならではの感性で作品を作り、販売。
石娘”などと称してなかなかかわいらしいHPで活躍中です。私自身面識はありませんが、よかったら訪問してあげてください。
なかなか好評を博しているようです。
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鑿でハツッた後、でこぼこながらも大体の平面が出現しました。
次にビシャンという道具を用います。
40ミリ×40ミリぐらいの面を目割りした道具で、4,5,7,8,10枚(枚とは出っ張りの数です)などがあります。当然ながら数が多いほど細かくきれいな仕上がりになります。
4枚もしくは5枚ビシャンで粗いながらも平らにしてから7~8枚ビシャンで更にでこぼこをなくします。
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写真は反対側にも目割りがしてある、5枚と7枚が一体化しているものです。

磨き仕上げ、タタキ仕上げ、チッパー仕上げなど表面の仕上げにもいろいろありますが、ビシャン仕上げという場合は普通は8枚で仕上げます。

さらにタタキという道具を用いるとタタキ仕上げになりますが、後日紹介します。

最近はエアーツールが発達しているので機械ビシャンを使うことが多いようです。
道路工事等の整地に使うランマーという機械の小型版であり、接地面がランマーは平らな鉄板なのに対して、機械ビシャンの場合は手工具同様、タガネに目割りを施したものです。

鑿ほどではありませんが、慣れないうちは石に垂直に当たらないので均一な面を作ることが出来ません。曲面をビシャン仕上げするのであればそれなりにごまかせるのですが、平面を作るには少し熟練が必要です。
両手で振り下ろすだけという単純な動作ではありますが、普段はあまり使うことのない二の腕の筋肉を使いますので、しばらく続けるとなかなかの疲労感を覚えます。
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鑿同様、リズムを良くすれば疲労の度合いは軽減されるのですが、この道具もなかなか一朝一夕には行かないようです
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歯ビシャンという道具もあり、角や縁に近い部分の細かい仕上げや通常のビシャンが使用できないような狭いところの仕上げに用います。

ビシャン仕上げの一例を紹介しておきます。各地の神社にこのような表面仕上げの門柱等があると思います。
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前作のお地蔵さんとは違って、今回は明確にプレゼント用として作成しました。
年季明けで田舎へ帰った石屋小僧のS君宅を訪問しようと思い立ったわけです。

北陸地方の石屋さん、とても親切で客人を大仰にもてなす風土、よってS君のご両親が手厚く迎えてくれるであろうことは容易に想像がつきます。
何か手土産を、菓子折りだけというわけにはいくまい、何が良いか、そうだ、石製品だ、でも相手もプロだ・・・ ・・・。

あれやこれや逡巡の末、まぁ、心がこもってればい~んじゃない?
などと軽く決断した次第です。
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参考にしたのは新聞広告
開運地蔵・・・だったかな?
タイトルはともあれ、とてもかわいらしいお地蔵さんの写真が載っていたわけですよ
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拝借してしまいました。
もちろん、そのまんまコピーしたところで自分の作品とは言えませんので、
あくまで参考にしながら自分のイメージを膨らませて完成しました。
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ある程度の形に仕上げて粗造りは今日で終了、というつもりで作業に出かけたはずが、Oさんとの会話に花が咲いてしまって本日の作業は一時間足らず

頭をダイヤソーで擦った後は裾衣の粗造り。
雰囲気が出てきたかな、というところです。
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他の部分も同じようにやってほぼアウトラインが完成してしまう予定だったのに、そこは自分の工房ではない悲しさ。
工場を借りている手前、もう少しやりたいから・・・などと邪険には出来ない事情があるのです。
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前回より少しは絵的に変わっているなと判断したので紹介することにしました。
具体的な形になっていくのが早いと思われるかもしれませんが、あくまで粗造り、わりといい加減に形作っているという段階です。

あと2時間ほどの作業で粗造りは完了
前回の投稿で述べた通り、その後にイライラが待っているのです。
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一つ石で何かこじんまりしたものを作ってみたくなって、作ってみました。
職人としてやっていた頃の延長線上の作品です。

お地蔵さんにもいろいろありますが、両方の掌を合わせているので合掌地蔵と称します。
持っている物や様々な手の形の違いによって、○○地蔵と言われています。
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カラオケ地蔵、ゴルフ地蔵など(容易に想像できますよね)、古来伝わるものとはかけ離れたというか宗教色のまったく無い、おそらくはオブジェや記念碑としての注文があったことを思い出してしまいました。

一階層上の分類としては、地蔵菩薩のほかに、観世音菩薩、文殊菩薩、普賢菩薩・・・どれぐらいあるんでしょうね?
観世音菩薩は俗に言う観音さん、千手観音や十一面観音等種類は数多くあり、目にする機会も多いと思います。
さらには釈迦如来、大日如来などの如来群・・・おっと、仏教の話ではないのです。しかもあまり知らないのに深入りしてはいけません。
このあたりで止めておきましょう。

製作過程を元石屋小僧のM君が見ていて、
「こーゆーの欲しいですねぇ」などと言ったものだから、つい弾みで
「おめぇにやるわ」と言ってしまったんですね。
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完成する頃に何となく惜しくなってしまったのですが、言った以上はしょうがない。
自分用にはまた作れるさ、と潔く、そして気前よくプレゼントしてしまいました。
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本日は山歩き。
妻とその上司、そして妻に山の魅力を伝授した妻の職場の元先輩。
それぞれの頭文字をとって「いなほっほ」の会、などと称して近頃4人で山歩きしてます。

本宮山というのは日本一登山者が多い山、というローカル情報を得ました。
愛知県中部に位置する標高七百数十メートルの低山なんですけどね。
確かに、すれ違う人は数知れず、追い越し追い越される人も数知れず。
車を止めたウォーキングセンターの駐車場は満車状態。
ウォーキングセンターというものが麓に存在すること自体、人気の山ということが言えますけど。

山頂の神社内の休憩所にはランキングが張り出してあります。
最高記録だけを抜き出しても、

年間登山回数 四百数十回
通算登山回数 七千数百回
一日の登山回数 11回
最速登頂記録 二十六分・・・私は二時間かかりました・・・

世の中には恐ろしい人がいるもんだと思いました。
特に最速記録、実際走って上っている人がいますもん。
木杭や石の階段、多少の岩場もあったりするのに・・・

台風の影響で登山道に交差する林道に落石がありました。自然に対する恐れを少し感じた場面です。
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良い具合に苔むした春日灯篭を見つけたのでパチリ。石ブログですからこの辺は押さえとかないと・・・
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蛙岩と看板が出ていた岩をパチリ・・・石彫の際に粗作り中の蛙を後ろから見た感じに見えないことも無いなぁ、というところです。殆どこじつけに近い気がしましたが。
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科目としては、石塔、灯篭、彫刻、建築、製図、安全衛生、積算、および実技と体育などがあります。
1年生ではやらない科目もあれば、1,2年生のみの履修で3年生ではやらない科目もあります。

ここまでは20数年前に卒業した私のおぼつかない記憶によるものですが、つい最近卒業した石屋小僧のTo君から情報収集したところ、石積み、材料、造園、機械工具という科目もあるとのことです。
そういえばあったっけなぁ・・・ウン、あって当然、必要な学科だわなぁ。
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例えば「材料」の授業で教わるのは石の種類分け。安山岩・凝灰岩・堆積岩・・・といういわゆる一般的な分類のほかに、庵治石・真壁石・岡崎石など産地の地名にちなんだ業界ならではの名称をある程度学習します。
色合いはもちろん目の細かさや粗さによる価値の違い、産出量の過去と現在、国産材と外国材の違いなども学びます。

また、「積算」では独特の面積や体積計算を習得します。一面材、二面材という面積の数え方、1才、2才という体積のあらわし方等です。

1尺(30.3cm)四方が1面材、1尺立方が1才なのですが、切削面や磨き面はこの単位によって計算され、切削代金は一面材あたり○○円ですから△△面材分見積もりします。というように商売に密接にかかわってきます。
石材の購入、販売においても一才当たりの単価が種類ごとに決まっています(相場によって変動します)ので、この単位を用います。

また、一才当たり白系の御影石で約80kg、高密度の黒系の石で約100kgと計算しますので、寸法を測ることによって大体の重量を把握することも出来ます。

産地から石を切り出すところから工場に運んで加工する過程、その方法、制作物によっての加工法の違い、使う道具の選別、そして実技講習など多くのことを学びます。
さらには「安全衛生」や「積算」に象徴されるように、工場の運営に関する知識までも。

「石」というよりは「石材」というものに関しての殆どが網羅されていると言って良いでしょう。
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訓練校の授業は週3回、毎日ではそりゃ大変ですからね。
日中の作業を終えて夕食を済ませてから、そう7時ごろからでしょうか・・・
講師は石材店の親方、社長、元社長・・・ようは石屋の親父
なんです。

専門用語に専門知識のオンパレード、他の業種の方々が入る余地はありません。もちろんのその道の権威、業界外の専門家という人もいることはいるのでしょうが、この学校では必要とされてはいないようです。予算面の問題でしょうか!?

講師も生徒もそりゃわかってますよ。現場仕事が遅くなれば遅刻するのは止むを得ませんし、肉体的にきつい日が続けば居眠りするのも当たり前のことです。当然大目に見てくれます。
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ものは考えようで、そういう人情味というようなものが経営者との距離を近くし、互いの弱みを理解しつついわゆる大人の関係を築いて行っているような気がします。
「学校」にもいろいろありますからね。

中卒、高卒、高校中退、大卒、まれには社会人になってからと、年齢差のある青少年が同じ1年生として石屋小僧を始めます。
当然スタートラインは全く同じと言うわけではありません。
算数もおぼつかないような少年もいれば、石屋の跡取りになるよりはその卓見と博識振りをもっと違う分野で生かしたほうがいいのでは?というような博学多才の士がいます。
図面の読み取りや店舗経営のことを考えると、基礎的な学力はあったほうが良さそうです。

しかし、加工技術は体で覚えるという大原則からすると、実務面においては頭でっかちになっていない、つまり上からの指示を素直に受け入れられる人のほうが上達の度合いが早いようです。

人それぞれだし、工学院へ入学した背景も様々でしょうから一概に決め付けるわけにはいきませんけどね。
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