タタキ

ビシャンでざらざらながらも表面を平らにしたところにタタキという道具を用いてさらに滑らかにします。
これまでの道具がある程度の”面”を作ることを目的にしてきたのに対し、タタキという道具は”線”を石に刻みます
一回振り下ろすごとに一目ずつ刻まれていきます。
コツコツと地道な作業を続ける石職人のイメージにピタリとはまっているのではないかと思います。

ビシャンの後にタタキ、です。
タタキ仕上げという仕上げ方がありますので、表面がでこぼこしていてはいけません。
ビシャン仕上げの段階でいかに平らになっているかが問われます。
が、
現在ではタタキ仕上げの注文があったとき、切削機で切った面にタタキをかけて仕上げとします。しかもビシャン同様、エアーツールが存在するのです。

この辺が面白いところですが、機械タタキでは石に当たるときの衝撃力や間隔を手元では完全に制御できないため、同じところを叩き続けたり叩き残しが出来たりして、逆に凹凸になってしまったりするのです。
目立たないところや仕上げの前処理としての使用に限られているようです。補助具ってもんですね。

結局は職人の技、肉体を使って魂こめて、という製品が良い製品ということになるのでしょう。
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タタキ仕上げとは別に、面取り用の道具としての使い方もあります。(写真がそうです)
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目を立てるだけではなく削るということも出来るからです。
斜めに削っておいて、少し下から真っ直ぐに削り下ろす、という手順によって面取りが出来るわけですが、現在では実用性がありません。
電動工具の発達により、そのような技が必要なくなりました。

伝統工芸という、実用とはかけ離れた世界で技術が伝承されている状況です。
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Commented by wecoms at 2007-08-03 21:35 x
いつもコメントをありがとうございます。
天宝石のHP見ましたが、今一、内容がよく分かりませんでしたので、注文をしませんでした。
”統工芸という、実用とはかけ離れたの世界で技術が伝承されている”
合理性とか、効率を重視する風潮と言うか、現代の視点の基準から言うと、”伝統の技”は、結構、無駄という感覚で見てしまう感がありますよね。
デジタルでは感じられない、アナログの”目の見えない世界”の感性を感じあえる社会が、また見直されるようになることを期待します。
おじさんの思いです!

Commented by 北海道のほっし~ at 2007-08-03 23:56 x
毎度様です。タタキ出ましたね~。現在においてはいわゆる「味」を出す為の道具になってしまっていますね。石面を平らにする技術よりも機械工具の発達が先行しましたから、ビシャンやタタキによる奥深さ・・・・「味」を見逃しなのでしょう。いいですよ~タタキの面にコケが生えた彫刻物とか・・・味がありますよね。
Commented by himaru73 at 2007-08-04 15:46
wecomsさん、コメントありがとうございます。
伝統の技というのは、良い音楽を聴いたり素晴らしい美術品を鑑賞したりということに通じると思うのです。
”0”と”1”だけではどうにもできない表現世界があると思います。
人間の存在自体がアナログ的ですから、まったくすたれてしまうということはないでしょう。
Commented by himaru73 at 2007-08-04 15:56
北海道のほっし~さん、コメントありがとうございます。
本文中にも書きましたが、タタキという道具は本当に石屋を象徴していると思います。
一目一目、リズム良く”カンカンカン・・・”と。
一定のリズムで一定の間隔で進行し、叩き残しが全くなく仕上がった時の爽快感は格別なものがあります。“技を究めたかな”などと自己満足したりもします。
職人として腕が上がったかどうかを実感できる道具のような気がします。
by himaru73 | 2007-08-03 16:45 | 石屋道具 | Comments(4)

日常の出来事あれこれ。  ときどき「石」。


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