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S君のこと vol.1

石屋小僧になって2年がそろそろ経とうかというころに、唯一在籍していた職人(私のことです)が辞めるという事態が発生しました。

石彫のサワリ部分に差し掛かった程度なので、いくら筋が良いといっても石仏なんぞ作れるレベルには達していません

先輩はすでに年季明けしています。
同期のK君とともに先頭に立つ羽目になってしまいました。
S君のこと vol.1_e0118846_1794869.jpg

しかしまあそこは本人のモチベーションの高さと生来の器用さ。
Oさんも、工場へ入る機会を増やしたようです。
師弟共に危機感を持つことによって、元々あった才能が早めに開花したのかもしれません。

私もトラブって退職したわけではないのでできるだけの協力はしたいと思い、休日等に時折工場に寄っては質問を受けたり、手直しの指示をしたりしてやりました。

甲子園まであと一歩というところまでいった元高校球児なので、体力は十分。
かといって力任せというところは微塵もなく、ポイントをうまく見極めてズバッといくタイプなので、石彫に向いていたのでしょう。
S君のこと vol.1_e0118846_17101899.jpg

年明けするころにはそれなりの仏像を造っていました。
5年でかなりのレベルに達したS君はほめられて然るべきなんですが、やはりいま一つ物足りなさというか青さみたいなものを感じる出来でした。

Oさんと私の一致した見解は、石彫は7年修業して一人前。
S君が仕上げた後ほんの少し、職人が手直しをするだけで印象が変わります。
万人の鑑賞に堪える製品=商品となるのです。

あと一歩のステップアップですが、そこを抜けるのに必要なのが何といっても経験です。
既に通ってきた者として、S君のこの段階からまだ2年あるということを、客観的に見た思いがします。

※ 作業風景は投稿内容と合ってますが、写真の
  モデルはT君です。
  頻繁に登場してもらうT君、そろそろ記事中
  に紹介しなければ…

by himaru73 | 2008-02-24 17:22 | 石屋小僧

日常の出来事あれこれ。  ときどき「石」。


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