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小石のように

中島みゆきの初期のアルバム「親愛なる者へ」の中に表題の曲が収録されています。
16才の少女が旅立っていく過程を、川を転がりながら下っていく小石になぞらえている内容の詞なんですが、最近娘夫婦と同居を始めたのでこの曲をふと思い出しました。

といっても我が娘、二十歳で結婚、そして出産
まだ22歳の誕生日も来てません。
歌詞にあるところの、青い海原に到達する前に拾われてしまったという状況なんです。

ぶつかったり削られたりしないうちに囲いの中に入ってしまいました。
しかも同居となれば、甘えがさらに増幅しかねません。
「いいのかなぁ~」なんて、1歳2カ月の孫を抱いてニヤケながら思ったりしています。

翻って、下の娘は地方の大学で下宿生活中
こちらは他の小石どもとせめぎあったり澱みに入り込んだりしながら転がっていそうなんですが、今春入学したところなのに正月は帰省しないとのメールが来て、それはそれで心穏やかではない気分に襲われます。

親でいることって・・・結構疲れますね。
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「こだわりの石日記」と銘打ち、世間的にあまり馴染みのない世界を紹介しようと気合を入れて本年5月に当ブログを開設しました。
石に特化しただけに、今回のネタはどうしよう…と考え込んだ日もありましたが、皆さんの心温まるコメントに支えられてここまで続けてこられました。

ありがとうございます

まだ7か月余とヨチヨチ歩きの段階ですが、今では「石」と宣言したことが幅を狭めたのではなく、「石は世界中にほぼ無限に転がってるんだから、題材に困る心配は全くない!」などと図々しく開き直っています。
「石材」は「石」に含まれるという、当たり前のことに今頃気づいたのかもしれません。

初心を忘れることはありませんが、かといって拘りすぎることのないよう、視野を幅広く持って書いていきたいと思っています。

来年もよろしくお願いします
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by himaru73 | 2007-12-31 06:06 | 石いろいろ | Comments(6)

軸付き

正式名称はあるんでしょうけど、
「軸付きで仕上げろ!」
などと呼び習わしているので、知らぬままに歳月を重ねてしましました。
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先端が回転するエアーツールです。
ディスクグラインダの紹介の時に歯医者を想起する等のコメントのやり取りがありましたが、まさにこの道具はそのまんまですね。

「うぃ~ん」という、たぶん好きではない人のほうが多い”あの音”が聞こえてきそうです。
実際”あの音”を大きくしたような音がします。
構造が同じでしょうから、当然と言えば当然なんですが。
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ディスクグラインダが届かないようなところの窪みの仕上げ等に使います
写真はダイヤと青砥が付けてありますが、水磨き用の各種砥石もそろっています。
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by himaru73 | 2007-12-28 07:55 | 石屋道具 | Comments(6)

墨付け

さしがねと墨つぼ、そして墨さしを使います。

石屋職人では見かけたことがありませんが、ベテラン大工の中には凝った彫刻を施した立派な墨つぼを愛用している職人もいるようです。

糸巻き車が付いていて、その糸を墨つぼの中に潜らせます。
コマを持って引くと墨が付着して出てきます。
張った糸を表面ギリギリのところで浮かせておき、真ん中あたりを上に引っ張って放すと墨が打てるというわけです。
長物に真っ直ぐな線を引く際に使いますが、6尺、8尺の物差しがあるので今ではほとんど使いません。
以上、古来からある墨つぼの説明でした。(画像はありません、悪しからず・・・)

現在の石屋小僧たち、知らない子が多いのではないかと思います。
大工さんはいまだに使っているんでしょうか?
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現在では写真の通り、大振りの墨汁容器の上部を切り取って中にスポンジか綿を入れて墨つぼにすることが多いです。

太めの竹を切って墨さしとセットで作ったこともありますが、今ではホームセンターで安く売っていますので必要ありませんね。
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by himaru73 | 2007-12-25 17:48 | 石屋道具 | Comments(10)

さしがね

寸法を測ったり墨をひいたりする道具ですね。
最近では建築関係の受注が多いので㎜単位のものをよく見かけますが、伝統的石製品の場合は当然尺貫法です
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うらがね」には対角線の目盛り(√2)が刻んであり、正八角形を書くときなどに重宝します。
伝統工芸品に指定されている灯篭などの場合細かいところまで寸法が指定されており、「うらがね」を使いこなすことによって切込み位置等に素早く墨を打っていくことができます。
理屈は理解していませんが、効率よくできるので丸呑みして覚えただけです。
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曲線を描くときはしならせて使うので薄くできており、角は摩耗が進むので少し厚くなっています。

穴の深さを見るために末端からも目盛りが付いており、これ一本で用途は多彩なようです。

20年以上も前のことですが、とても変った使い方を目撃したことがあります。
なんと・・・
Oさんが小僧の頭をコツンと叩いていました!
現代ではありえませんね。

もちろん私にはできない使用法です。
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by himaru73 | 2007-12-23 17:12 | 石屋道具 | Comments(8)

むしり仕上げ

”むしり”なんて、まさに“むしり取る”からイメージされたネーミングだろうと思います。

鑿とセットウで、いわゆる”ノミ痕”を付けていくわけです。
”ハツリ”とは違い、ノミ筋をつけてはいけません。
要は、ビシャン仕上げを粗くした感じです。
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従って、ノミを殆ど垂直に立てて使います
次はこのあたり、と狙いを定めて打つわけではなく、ハツリ同様リズムに乗って叩くことが大事です。

適当って言えばそうなんですが、やはり鑿の扱いに熟練していないと難しいですね。
同じところを何度も叩いたり、角度がついてしまって筋っぽくなったり・・・(一部見受けられますが・・・)

ビシャンと違って機械ではできません
タタキほどではないにしろ、地道な手作業が続きます。
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左が場均しを終えたところ、右が仕上がったところという様子です。
題材は”道祖神”
本体はタタキ仕上げですね。
顔を除いてほとんど完成しています。

空間を演出するという意味でこの仕上げ法を採る場合が多いですね。
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by himaru73 | 2007-12-19 18:24 | 制作中! | Comments(10)

ぽっ!2

一輪挿し2に続き、ピンコロ利用作品です。
”あまりにシンプルで・・・”
同じ記述をしそうになり、一人で苦笑い。
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以前紹介した”ぽっ!”より、さらに作業時間少なめです。
上部を丸めて砥石をかけ、線彫りしただけ

よく見ると、今回は下部に足らしきものが彫ってある・・・
だから何!?という程度の変化でしかありませんね。

シンプルシリーズならぬ、手抜きシリーズとでもしましょうか。

思いつきでやってみた、という程度のものです。

これをベースとして何か出来たとしたら、”実は習作でした”と、えらそうに言えるんですが。
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by himaru73 | 2007-12-16 06:26 | 作品 | Comments(10)

一輪挿し2

あまりにシンプルで、ちょっと気恥ずかしさを感じたりします。

穴を掘っただけ・・・
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殆どの石碑には「花立て」が付属していますが、その穴を掘った時に発生する円筒状の石(ピンコロと称します)に小さい径の穴をあけただけです。

数十個並べてレンガの代わりとして花壇の柵などに利用しますが、多くの場合廃棄されます。

他に効果的な用途があれば教えてください。
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by himaru73 | 2007-12-13 17:43 | 作品 | Comments(10)

一輪挿し1

妻のリクエストに応えて、三角錐の一輪ざし。
三面を異なる仕上げで制作しました。
ビシャンタタキ、磨きの3種類です。
作る手順というものが存在します
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まずビシャン面を仕上げます。角、ヘリの加工に大層気を遣わなければなりませんので、広めに仕上げておいてから三角に切ります。
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次いでタタキ、面取りをしておいて慎重に叩けば角が欠けるようなことはありません。
ビシャンに比べれば、はるかに気遣いは少なく済みます。
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最後に磨き面です。
面取りをきちんとしておけば、欠けることはほぼありません。
平らな面の手磨きはツヤが出にくいので、欠ける心配がない分、そちらに苦心しました。
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上部から穴をあけて出来上がり。
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by himaru73 | 2007-12-08 18:57 | 作品 | Comments(9)

ディスクグラインダ その5

ドラム
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見たままのネーミングですね。
主に「たるき」の凹部加工に用います。
「たるき」とは、神社仏閣にみられるような、お堂の屋根の裏側に等間隔で取り付けてある角材のことです。
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石製品としては雪見灯籠の傘の裏側や、石造りのお社の屋根等に見ることができます。

製品とはいえないような大きな建造物でない限り、石は張り付けるということをしません。
それらしく見えるように彫り込むわけです。

曲面内側の加工でも威力を発揮します。
他の道具でも代替は可能なんですが、より楽に作業ができるようにこのような道具も存在します。

幅や径がいろいろ揃っているので、用途は広いです。
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by himaru73 | 2007-12-07 17:32 | 石屋道具 | Comments(4)

ディスクグラインダ その4

ペーパーサンダー
青砥の後に使用します。

石の表面が熱を持って、いわゆる「焼けた」状態になってしまうので、刷毛で水を打ちながら擦ります
「焼け」は火傷ってことですね。石の表面がただれたようになってしまい、磨いてもそこだけツヤが出ません。
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細かい傷を消し、傷のないところはさらに滑らかに
表面はツルツルになります。が、ツヤはまだありません。
ツヤを出すためには水磨きをしなければなりませんので、水磨き前の最終段階というところです。

ところで、紙ではないのになぜ「ペーパー」というのかいまだによくわかりません。
紙のようにぺランぺランだから?
たしかに、平べったい麻縄らしきものを格子に組んだ台紙状のものに砥石の粒をまぶして固めてあるようですが、それが紙の成分と同じなのかな?
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何気なく使っていた道具も、改めて細部を確かめようとすると、わからないことが多くあるのに気付きました
道具名ですら、正式なものではなく慣例で呼び習わしているだけかもしれません。
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by himaru73 | 2007-12-02 09:11 | 石屋道具 | Comments(7)

日常の出来事あれこれ。  ときどき「石」。


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